CAPTCHAに替わるモノ

CAPTCHAの抱える問題とは、ようするに「強度を上げれば(読みにくくすれば)人間にも読みにくい」という単純かつ原理的な矛盾です。

CAPTCHAは愚策:Kenn's Clairvoyance - CNET Japan

少なくとも個々の文字の「認識」に関しては、既にOCRの認識精度が人間のそれを上回っているらしい。画像中から文字を切り出す「分割」がまだネックになっているようではあるが、今後の技術の進歩に伴いこちらも人間の能力を上回ることは予想でき(あるいは既に上回っているかもしれない)、そもそもの目的である人間とautomatonの区別そのものができないとなると、結局ユーザの利便性を損ねるどころか根本的に無意味なものとなる。

画像から文字を認識して抽出するというOCR技術はかなり歴史が古く、CAPTCHAは誕生した当初から「いずれ破られる技術である」という認識があったものと思われる。対策コストに比べて解析コストが上回るため普及が進んできたが、早くもそのバランスが崩れる時代がやって来たということでもあろう。

「ユーザの利便性を損ねない」という観点からはkenn氏の提案のように「人の手を介さない」実装が望ましいのは確かだが、CAPTCHAに替わるコストパフォーマンスの高い逆チューリングテストを考えてみるというのも興味深いテーマではある。